世の中には正直者や真面目な人が馬鹿を見るということが良くありますが、交通事故の現場では一際この傾向が強いように思えます。
例えば追突をされた時など、相手の保険で車は元に戻っても、事故から修理まで失った時間や嫌な思いをした気持ちは物損事故では補償されません。
相手が無保険とか、ちゃんとしたと対応をしてくれない場合も困りますね。
そんな中、弊社の真面目なお客様が、思わぬ事故に遭遇しました。
みなさんも交差点近くにある、いわゆるゼブラゾーンってご覧になったことはございますよね?(このイラストの緑の車(B車)が走行しているシマ模様の場所のことです。)
【経緯】
右折をしたかったA車は走行レーンを走行しゼブラゾーンが終わってから右折車線に車線変更。ウインカーも出していたのでB車が来るのは分かっていましたが相手が停車すると考えていました。
一方B車はゼブラゾーンを直進走行。A車のウインカーは見えていましたが、徐行しているA車が停車すると考えてスピードを緩めず直進。
そのため2台は接触しました。
ゼブラゾーンの走行について私が複数の方に聞いた限りでは、ゼブラゾーンが長い場合大多数の方がA車のような走行をすると仰っていました。また、実際に交差点で10分ほど観察しましたが、多少ゼブラゾーンのコーナーをショートカットして走る車はあっても長い距離ゼブラゾーンを走行し続ける車はほとんど見かけません。
あなたはどうでしょうか?
そして、あなたならこの事故、どんな過失割合で示談しますか?
A車が悪い?
B車が悪い?
それとも五分五分?
実はこれ、裁判記録などを元にした判例では、A車が6割悪い事故となっているんです!!
もう少し詳しく説明すると、
このケースでは車線変更時の判例を用います。基本は70:30です。
これにゼブラゾーン走行による修正が10%加わり60:40になるという訳です。
(*近年修正率を10-20%と幅を持たせるようになっています。状況によって55:45、50:50もあるようです)
ゼブラゾーン走行は修正要素にはなるものの、重過失や交通違反ではないのですね。
確かにあそこを走行して逮捕されたって話は聞きません。ゼブラゾーンって走っても良かったんだ!
皆さんご納得いただけましたか?
交通事故は『止まるだろう』『来ないだろう』という思い込みが原因になってる事が多くあります。
自分は正しくても相手は間違った思い込みをしているかもしれませんし、その逆もあるかもしれない事を忘れずに、
安全運転を心がけましょうね。(^-^)/
**追記**
タイトルの「真面目な人がバカをみる」について多くのコメントが寄せられていますが、私はA車B車のどちらが真面目かという話を書いたのではありません。
『どんなに真面目に正しいルールを守っていても事故は起き、多くのケースでは双方に過失があると判断される。交通ルールも時代で変わるので、思い込みは危険だし、相手も正しいと思い込んでる場合もありますよ。』と言いたかったのです。